汎抵抗資源と汎抵抗欠損

先日質問を受けた上記の点について、もう一度整理しておきたいと思いました。 健康生成モデルにおける汎抵抗資源とはストレッサーを対処するときに動員するさまざまな資源のことを指します。SOCはこの資源を動員する動員力でもあるとされており、類似のHobfo…

proactove copingについて

昨日聖路加でポジティブサイコロジー勉強会がありました。テーマは、proactive copingについての報告でした。以前にもこの会でやったのですが、多分その時私はまだ臨床で働いていて、2回連続のテーマで後半の1回しか参加しておらず,うまく議論に乗れなかっ…

「健康生成論とストレス対処力」の授業

福岡学習センターで「健康生成論とストレス対処力」の授業をしてまいりました。当初はどんなものか、学生の皆さんついてこれるのか、健康生成論を理解できるのか、SOCに興味を持ってくれるのだろうかと大変に不安でした。学生たちといっても、平均年齢が45歳…

マインドフルネスプログラムとSOC

先月末、聖路加のポジティブサイコロジー勉強会があり、結膜炎の影響と風邪を併発して散々な状況だったのですが、気合い?で準備をして報告し、終了後の食事会まで参加してしまった有様でした。(おかげで治癒が遅れてしまったようにも。。。) 以下の論文を…

4月7日のSOC研究会

久しぶりの更新になってしまいました。3月は結膜炎で両目が腫れ上がった上、風邪が治らずで寝ている日が多く、全く研究活動がはかどらず、散々な一ヶ月でした。 昨日の研究会は、久々の参加で、様々な報告があって刺激を受けました。 ひとつは、障害児の親を…

術後せん妄とSOC

先日の聖路加ポジティブサイコロジー勉強会で報告されていたのは、術後せん妄とSOCに関する計画の報告でした。 http://positivephealth.blogspot.com/ 看護領域におけるSOCの研究ではナース対象の研究は多いのですが患者を対象としてSOCを測って使用する研究…

2月18日の研究会参加

2月18日にはSOC研究会があったのですが、別で携わっている調査の関係でお休みさせていただきました。昨年12月の会議はセミナーと同時開催と言う形だったので間が空いていて行きたかったのですが残念でした。 私が伺ったのはHIV/AIDS看護学会という学会(研究…

今後の研究展望その2(備忘録)

先ほど山崎先生と話していて、今後の研究展望にSOCスケールの件をあげるのを忘れていたことを思い出しました。その備忘録です。 SOCスケールの臨床応用に近いものではありますが、スケールの標準化、スクリーニングやアセスメントツールとしての応用化です。…

SOC研究の展望

新年に入り、修士論文の審査や、放送大学教材の執筆・編集作業などで時間が取られて、全くもって自分の研究に取り組む時間がなく、ちょっと焦ってきました。おかげで?このブログも更新できず、残念きわまりない状況が続いています。 全然研究的なことをして…

NPOライフリンク「『ライフスキル(生きる技術)勉強会』〜閉塞社会を生き抜くために〜」の個人的な総括

12月17日(土)に、中大駿河台記念館にてNPO法人ライフリンクが主催する勉強会「『ライフスキル(生きる技術)勉強会』〜閉塞社会を生き抜くために〜」が行われました。 http://www.lifelink.or.jp/hp/ust.html 内容は、SOCについてのもので、山崎先生が講師…

思春期のストレス対処力SOC -親子・追跡調査と提言

思春期のストレス対処力SOC―親子・追跡調査と提言作者: 山崎喜比古,戸ヶ里泰典出版社/メーカー: 有信堂高文社発売日: 2011/11メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 61回この商品を含むブログ (3件) を見る 先月から紹介している「思春期のストレス対処力SOC …

11月の第76回民衛学会を終えて

いろいろバタバタしている間に、11月が終わろうとしており、このブログもまったくもって更新ができていない状況になってしまっています。本来なら、もっと最近のSOCに関する研究論文などをモニタリングしながら紹介しなければいけないのですが。。。。 11月…

10月のSOC研究会を終えて

先日29日にSOC研究会がありました。大きく2つ報告があり、ひとつは大宮朋子さんから「HIV感染者の就労を中心とする病ある人生における困難ならびにsense of coherenceの高い人たちに見られた遭遇環境と対処」、および、横山由香里さんから「被災地でのSOC調…

公衆衛生学会の自由集会「健康生成論とストレス対処力概念SOCの学習・交流会」を終えて

10月19日に公衆衛生学会の自由集会が行われました。話題提供は山崎先生のSOCの具象化研究に関するもの、久地井さんより、市民調査におけるSOCとSRHとの関係に関するもの、私から、職場環境とSOCに関するものの3つが行われ、その後自由討論になりました…

SOCの形成と強化と発達と成熟と向上の整理

最近完全にごっちゃになっているのが、上記の概念です。SOCの発達は30歳では止まらず生涯続くようです。 発達というのはSOCがより強くなる、確信が強くなる、スコアが上がるということです。以前までは30歳で発達は停止しそこからは動かないといわれていまし…

第70回公衆衛生学会自由集会(秋田)「健康生成論とストレス対処能力概念SOCの学習交流会」のお知らせ

先日書きかけになってしまった、今年の公衆衛生学会自由集会は下記のようになります。 どなたでも参加できますので、ぜひご来場ください。 今年ではや5回になる自由集会です。公衆衛生学の領域が国内国外ともにSOCの研究者が多いと思われます。しかし、発起…

思春期のストレス対処力SOCと第70回公衆衛生学会自由集会(秋田)

先月は1回しか更新できないありさまでした。 今月もどうなるのか心配ですが、少しずつできるところから、しかしまめにつけていくのが日記であろうかとおもいますので、宣伝も兼ねてつけたいと思います。 ひとつは、10月末か11月上旬に有信堂高文社より「思春…

レジリアンスとSOC

9月はあっという間で、更新もままならないまま1か月が過ぎてしましました。 じっくりとSOC概念について考える暇もなく、しかし、何も書かないのはよくないと思い無理に更新に踏み切っています。精神医学系や看護系で、特に小児系の研究で良く出てくるのがレ…

Sense of coherence (首尾一貫感覚)とは

SOCの定義は、Antonovsky(1987)の中で、以下のようにいわれています。 「その人に浸みわたった、ダ イナミックではあるが持続する確信の感覚によって 表現される世界(生活世界)規模の志向性のことである。それは、第一に、自分の内外で生じる環境刺激は、…

8月のSOC研究会

SOC研究会が8月6日に行われました。 内容は、文献紹介「Modin B, Ostberg V, Toivanen S, Sundell K. Psychosocial working conditions, school sense of coherence and subjective health complaints. A multilevel analysis of ninth grade pupils in th…

質的研究と量的研究

様々な質的研究方法論についてまとめてくれていた 昨日8月7日と本日8日と横浜で第37回看護研究学会がありました。昨年はSOCに関する自由集会があって参加しましたが、今年はなかったようです。ただ、テーマが方法論に特化されていて、教育講演やシンポ…

思春期学と数理社会学

先日、高校生におけるSOCスケールの適用可能性について言及しました。http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20110726今度の思春期のSOCの本には間に合わないのですが、筑波大の先生方から山崎先生と共著で雑誌思春期学での特集の原稿を頼まれました。S…

研究成果の社会への還元

現在「高校生のストレス対処力SOC」という本を書いています。実質的には脱稿し、現在版組が行われています。3年間の追跡を行った調査結果を用いての検討でしたが、出版社の有信堂高文社からの要望で学術的というよりも、養護教諭や一般の学校教諭向けの実践…

SOCスケールの高校生、大学生への適用について

SOCスケールの信頼性と妥当性 これについては、これまで私は高校生、大学生を相手にして、さんざんSOCの検討を行って来ていますが、ある意味適用できることを前提として研究をして来ました。 すくなくとも、海外では、中学生から13項目版のSOCスケールを使用…

健康教育学会でのグループワーク

すでに1ヶ月も前になってしまいましたが、今年の健康教育学会の内容の感想です。この間本当に忙しくて、めまぐるしい日々でした。順天堂大学院の授業の準備と高校生のSOCの本の原稿の準備,編集作業、あとは、看護情報学のテキストの修正稿の作成などでめま…

インドの津波の研究

先日のpositive psychology 勉強会のもう一つの研究紹介はインドでの津波被害者の個人および集団のレジリアンスに関する研究でした。これは質的研究で、しかも、flamework approachという方法で、既にインタビューガイドが定まっていて、そこにそってインタ…

sense of coherence と 感謝、positive reframing

先日聖路加でpositive psychology勉強会があり、発表をして来ました。 Lambert NM, et al. A changed perspective: How gratitude can affect sense of coherence through positive reframing, The Journal of Positive Psychology, Vol. 4, No. 6, November…

健康社会学のゆくえ

7月16日に山崎喜比古先生の東大退任記念会(3月19日の延期)があって、参加してきました。私は教室出身ということもあって主催者側にいて、写真係で、ひたすら写真を撮っていました。本当はスピーチの予定がありましたが、時間が押して中止に、花束贈呈役に…

SOCスケールについて(SOCスケール13項目版)

sense of coherence (SOC) スケール13項目版について問い合わせがよくあります。 昨年から書き続けていますが、医学書院の「看護研究」誌に乗せたスケール内容に誤植があって、一部の方の中で混乱が生じている状況が続いているようです。 http://d.hatena.ne…

思春期(学童期)向けSOCスケールについて

思春期用SOCスケールについての質問が健康教育学会で出ていました。SOCスケールは思春期、特に小学生の段階で十分に測定ができる者なのかということです。その時の論点は、そもそもSOCスケール自体、小学生に適用することが難しく、本当に測定できているのか…