4月7日のSOC研究会

久しぶりの更新になってしまいました。3月は結膜炎で両目が腫れ上がった上、風邪が治らずで寝ている日が多く、全く研究活動がはかどらず、散々な一ヶ月でした。
昨日の研究会は、久々の参加で、様々な報告があって刺激を受けました。
ひとつは、障害児の親を対象としたSOCの調査で、母親のSOCの関連要因を明らかにするという研究でした。これについては、まだ分析を始めたばかりで、分析の枠組み自体が明確になっていない状況でしたので、その辺りについて意見が飛んでおりました。
二題目は、高齢者の排泄とSOCという、一見して風変わりな研究でした。排泄の障害の克服がSOCを左右するのでは、というような観点の研究でしたが、参加者のほとんどは、SOCを従属変数とするのは無理があるのではないかというようなコメントで、QOL心理的well-beingなどを従属変数とするほうが良いのではないかという意見が大勢でした。私自身もSOCのみを従属変数として立てるのではなく、HRQOLや精神健康度などを従属変数としつつも、SOC自体はどこかに入れても良いようにも思いました。ただ、入れ方は、そうそう簡単ではなく、たしかにSOCが左右される可能性も考えられつつも、SOCが独立変数側に来るという可能性もありそうで、障害とその克服とSOCとの関係については、慎重に整理していくことが必要であろうと思いました。
三題目は、坂野先生、山崎先生とで、ノルウェーのランゲランド先生という精神看護学領域で精神障害者一般を対象とした健康生成論的トークセラピーの研究をされている方の元に行って来た、という報告でした。臨床心理系ではこうした観点でのセラピーが多く行なわれているのですが、このセラピーについては私も以前書いた「ストレス対処能力SOC(有信堂高文社2008年刊)」で取り上げました。というのも数少ない臨床研究として報告されている取り組みで、かつ、健康生成論を理論的なバックボーンとして新たに作成したプログラムでありました。坂野先生は、このランゲランド先生と共同で研究を進めていくとのことでした。山崎先生のお話では、ノルウェーのSOCの研究を牽引している方とのことでした。
とはいえ、ここしばらく研究の手が止まってしまっている私としては、いずれの報告も刺激的で、皆さんからエネルギーを頂きました。まずは、手元の2本の論文を仕上げるところからやっていかないと行けないです。。。

ストレス対処能力SOC

ストレス対処能力SOC