レジリアンスとSOC

9月はあっという間で、更新もままならないまま1か月が過ぎてしましました。
じっくりとSOC概念について考える暇もなく、しかし、何も書かないのはよくないと思い無理に更新に踏み切っています。

精神医学系や看護系で、特に小児系の研究で良く出てくるのがレジリアンス概念で、SOCによく似ているといわれています。以前にもここで書いたことがありました。http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20100804/1280895804 や http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20110531/1306866455 です。

読み返すとあまり突っ込んだことを書いていないのですが、逆にいえばそのくらいレジリアンスは絡みにくい概念であろうかと思います。(山崎先生はレジリアンスは「ぬえ」だと言っていましたが。)定義は多くの人が多くのことを言っていますが共通するのは回復力とか跳ね返す力というようなところです。レジリアンスを測定するためにSOCスケールを用いたという研究もあります。SOCどころかストレス対処のプロセスのすべてを包含すると言っている人もいるくらい広い概念ですが、ポジティブに見ようとする点が新しいのかもしれません。おそらく、包摂し新たに定義づけることで新たな立脚点になるというような、ソーシャルキャピタルやヘルスリテラシーのような位置と考えてよいのではないかとも思っています。心理学にはセリグマン達によってポジティブ心理学というアプローチが整備されましたが、その精神医学小児科学版、というものというような位置づけになるかもしれません。

ただ、レジリアンスをパーソナリティに結びつけてとらえようという試みもあります。回復力のある人のパーソナリティにはどのような特徴があるのか、というようなアプローチです。このレジリアントなパーソナリティをとらえるスケールが開発されていて、それはSOCスケールに一部似ている部分も見られているし、ハーディネス尺度に似ている部分もある、という位置づけになると思います。