2012-01-01から1年間の記事一覧

第71回日本公衆衛生学会と自由集会「健康生成論とストレス対処力SOCに関する学習・交流会」

すでに1か月以上経ってしまっているのですが、第71回公衆衛生学会の自由集会について忘れ去る前に記録しておきたいと思います。今年の日本公衆衛生学会は山口で行われました。山口市は合併で県下第2の都市になりましたが、その前は第3位の人口規模で、全国で…

ストレス対処能力SOCの増刷

有信堂高文社から刊行されている「ストレス対処能力SOC」が、お陰をもって増刷になりました。 修正点は執筆の先生方の所属と、第1章に13項目7件法SOCスケールを掲載したことと、最低限度の修正に留めた理由と今後について、編者一同ということで、増刷によ…

sense of coherenceの由来について

アントノフスキーがSOCを発見したのは強制所収容所から生還した人たちから、という誤った言説がはびこっているようです。問題なのはこれを根拠にしてSOCはこうしたトラウマティックで過酷な経験において意義のあることで、日常的なストレッサーにおいては役…

HardinessとSense of Coherence

KobasaのハーディネスとSOCとの違いについて、先日の第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラムのシンポジウムの打ち合わせのときに話題になりました。http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20121107 SOCとなにが共通しなにが違うのかというところで整理して…

第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラム

先月10月19日に関西福祉科学大学のEAP研究所(http://www.eap-ins.com/index.html)が主催する第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラムに参加して参りました。テーマは「打たれ弱い若年社員への成長支援〜若年社員の成長支援を考える」で、今回は基調講演…

10月のSOC研究会

10月、11月は5月6月と並んで多忙な時期で、今年は講演&シンポジウムや公衆衛生学会など、様々なイベントがありました。その都度書いていかないと、何があったのか忘れてしまいそうで、そのためのこのブログであったのですが、忙しさにかまけてさぼり気味で…

optimismとsense of coherence その3 〜optimismの応用可能性について

先日の聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトにあります。http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.htmlCarver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 3…

optimismとsense of coherence その2 〜optimismの測定について

昨日に続いて、聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトです。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volu…

Optimismとsense of coherenceその1 〜Optimismの理論について

先日聖路加のPositive Psychologyの勉強会があって、Optimismの報告をしてきました。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html 論文は以下です。 Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 30…

EAP研究所の「こころの健康と経営戦略フォーラム」基調講演と公衆衛生学会自由集会

来る10月19日に、関西福祉科学大学附属EAP研究所の「こころの健康と経営戦略フォーラム」の基調講演をすることになりました。 http://www.eap-ins.com/event.html 実務者向けとのことで、わかりやすくSOCについて解説してほしいとのこと、努力したいと思って…

臨床の知と健康生成論

8月18日に、合同院生ゼミを札幌で行いました。このゼミでは、同僚である本学の井出先生の提案で、中村雄二郎著の「臨床の知とは何か」(岩波新書、1992年)を朝から晩まで一日かけて抄読する、ということをしました。この本は、その昔私が浪人生のころに、医…

6月のSOC研究会に参加して

6月30日にSOC研究会があり、参加して参りました。3題ともに健康職場とSOCというようなテーマで、心理社会的職場環境とSOCとの関係について検討したものです。 はじめの益子さんの報告では、いろいろ分析をしているようなのですが、追跡データで、職場におけ…

SOC研究の難しさ(その2)

難しさその2. SOCスケール得点の絶対的な評価が定まっていない SOCスケールは内容的妥当性もあり、信頼性もあり、構成概念妥当性も明確となっている尺度ですが、尺度得点の絶対的な意味については明らかになっていません。つまり、SOCが1点上がることが客観…

SOC研究の難しさ(その1)

私の修士課程の院生がSOCを研究テーマにしたいと言って来て、話を聞いていながら、SOCを扱った研究とその難しさについて色々考えることがありました。忘れないうちに書き留めておこうと思いました。自分も学位論文審査の時や、学会などで、色々言われたこと…

汎抵抗資源と汎抵抗欠損

先日質問を受けた上記の点について、もう一度整理しておきたいと思いました。 健康生成モデルにおける汎抵抗資源とはストレッサーを対処するときに動員するさまざまな資源のことを指します。SOCはこの資源を動員する動員力でもあるとされており、類似のHobfo…

proactove copingについて

昨日聖路加でポジティブサイコロジー勉強会がありました。テーマは、proactive copingについての報告でした。以前にもこの会でやったのですが、多分その時私はまだ臨床で働いていて、2回連続のテーマで後半の1回しか参加しておらず,うまく議論に乗れなかっ…

「健康生成論とストレス対処力」の授業

福岡学習センターで「健康生成論とストレス対処力」の授業をしてまいりました。当初はどんなものか、学生の皆さんついてこれるのか、健康生成論を理解できるのか、SOCに興味を持ってくれるのだろうかと大変に不安でした。学生たちといっても、平均年齢が45歳…

マインドフルネスプログラムとSOC

先月末、聖路加のポジティブサイコロジー勉強会があり、結膜炎の影響と風邪を併発して散々な状況だったのですが、気合い?で準備をして報告し、終了後の食事会まで参加してしまった有様でした。(おかげで治癒が遅れてしまったようにも。。。) 以下の論文を…

4月7日のSOC研究会

久しぶりの更新になってしまいました。3月は結膜炎で両目が腫れ上がった上、風邪が治らずで寝ている日が多く、全く研究活動がはかどらず、散々な一ヶ月でした。 昨日の研究会は、久々の参加で、様々な報告があって刺激を受けました。 ひとつは、障害児の親を…

術後せん妄とSOC

先日の聖路加ポジティブサイコロジー勉強会で報告されていたのは、術後せん妄とSOCに関する計画の報告でした。 http://positivephealth.blogspot.com/ 看護領域におけるSOCの研究ではナース対象の研究は多いのですが患者を対象としてSOCを測って使用する研究…

2月18日の研究会参加

2月18日にはSOC研究会があったのですが、別で携わっている調査の関係でお休みさせていただきました。昨年12月の会議はセミナーと同時開催と言う形だったので間が空いていて行きたかったのですが残念でした。 私が伺ったのはHIV/AIDS看護学会という学会(研究…

今後の研究展望その2(備忘録)

先ほど山崎先生と話していて、今後の研究展望にSOCスケールの件をあげるのを忘れていたことを思い出しました。その備忘録です。 SOCスケールの臨床応用に近いものではありますが、スケールの標準化、スクリーニングやアセスメントツールとしての応用化です。…

SOC研究の展望

新年に入り、修士論文の審査や、放送大学教材の執筆・編集作業などで時間が取られて、全くもって自分の研究に取り組む時間がなく、ちょっと焦ってきました。おかげで?このブログも更新できず、残念きわまりない状況が続いています。 全然研究的なことをして…