研究

第87回産業衛生学会の自由集会

5月21〜24日に岡山で第87回産業衛生学会(http://www.convention-w.jp/jsoh87/index.html)が開催されます。 産業衛生学会は、会員数も数千人だったと思うのですがかなり大きな学会で、地方会組織がしっかりしていて地方会ごとに年次学会をしているほか、毎…

サルートジェニック・カフェの取り組みを聞いて

聖路加Positive Psychology勉強会に参加して来ました(http://positivephealth.blogspot.jp/)。筑波大学の産業医学の平井先生のご報告でした。以前に公衆衛生学会の自由集会でご紹介頂いたものの、その後、というような位置づけでした。ある企業の従業員ほ…

optimismとsense of coherence その3 〜optimismの応用可能性について

先日の聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトにあります。http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.htmlCarver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 3…

optimismとsense of coherence その2 〜optimismの測定について

昨日に続いて、聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトです。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volu…

Optimismとsense of coherenceその1 〜Optimismの理論について

先日聖路加のPositive Psychologyの勉強会があって、Optimismの報告をしてきました。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html 論文は以下です。 Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 30…

質的研究と量的研究

様々な質的研究方法論についてまとめてくれていた 昨日8月7日と本日8日と横浜で第37回看護研究学会がありました。昨年はSOCに関する自由集会があって参加しましたが、今年はなかったようです。ただ、テーマが方法論に特化されていて、教育講演やシンポ…

思春期学と数理社会学

先日、高校生におけるSOCスケールの適用可能性について言及しました。http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20110726今度の思春期のSOCの本には間に合わないのですが、筑波大の先生方から山崎先生と共著で雑誌思春期学での特集の原稿を頼まれました。S…

研究成果の社会への還元

現在「高校生のストレス対処力SOC」という本を書いています。実質的には脱稿し、現在版組が行われています。3年間の追跡を行った調査結果を用いての検討でしたが、出版社の有信堂高文社からの要望で学術的というよりも、養護教諭や一般の学校教諭向けの実践…

健康教育学会でのグループワーク

すでに1ヶ月も前になってしまいましたが、今年の健康教育学会の内容の感想です。この間本当に忙しくて、めまぐるしい日々でした。順天堂大学院の授業の準備と高校生のSOCの本の原稿の準備,編集作業、あとは、看護情報学のテキストの修正稿の作成などでめま…

インドの津波の研究

先日のpositive psychology 勉強会のもう一つの研究紹介はインドでの津波被害者の個人および集団のレジリアンスに関する研究でした。これは質的研究で、しかも、flamework approachという方法で、既にインタビューガイドが定まっていて、そこにそってインタ…

健康社会学のゆくえ

7月16日に山崎喜比古先生の東大退任記念会(3月19日の延期)があって、参加してきました。私は教室出身ということもあって主催者側にいて、写真係で、ひたすら写真を撮っていました。本当はスピーチの予定がありましたが、時間が押して中止に、花束贈呈役に…

検定についてわかってほしい

健康教育学会関係の記事を書きたいところ、明日の授業の準備と、書籍の準備とに追われています。 なかなか統計学的検定について理解がしてもらえず、四苦八苦しています。 看護系の方たちを対象としている授業なので下手に日本語でわかりやすく説明しようと…

レジリアンス(resilience)とsense of coherence

3月に引っ越しをして以降、ちょうど引っ越しが震災と重なったこともあり、また、新しい職場に着任して以降も落ち着かなくて思うように自分の研究に集中できず、それに平行してsense of coherenceについて考えたり調べたりする意欲が全く湧かず、このブログ…

難しいことはやさしく

現在、今夏から秋にかけて刊行する予定の高校生のSOCに関する本の執筆を行なっています。これは、私が博士課程2年から3年生のときに計画したある高校の全生徒と保護者を対象として3年間追跡するという縦断調査データの報告という位置づけで、山崎先生に背中…

査読あれこれ

4月1日より放送大学に異動をしました。3月10日から東京に来ているので、その間に地震騒ぎがありましたが、ようやく家のほうは落ち着いてきました。職場のほうは今週はじめに山口から一挙に荷物が届き、その整理に追われていました。部屋の整理もすすみ、今度…

SOC資本?(1)

私が修士課程に進学した年に、そもそも健康社会学という学問自体がどのようなものなのか良くわからなかったので、学部3年生向けの健康社会学と言う授業に参加しておりました。 山崎先生と田村誠先生が授業を担当されていて、その年に刊行予定の健康と医療の…

sense of coherence とhealth literacy

現在再び放送大学の「市民のための健康情報学入門」なる教材の作成に追われています。聖路加の中山先生と二人で主任になっているのですが、中山先生のご研究?のお手伝いでHealth Literacyについては多少勉強はしたものの、非常に奥が深い分野で私自身全く持…

山崎研究室とSOC研(2)SOC研の今後

SOC研究会という研究会が私が院生でいたときから月に1度、最近は2月に1度行われていました。当初は私と、もう一人同期の住川陽子さんの修士論文がSOCを扱った研究でその2つの研究をブラッシュアップしていくために、研究を報告したり文献を報告したりす…

山崎研究室とSOC研(1)研究室の伝統

1月は上旬に高熱と咳が出る病気(インフルエンザと思ったのですが、医者は特に何も言われなかったのですが)に侵され、死にそうな日々が続き、下旬には聖路加の中山和弘先生が編者となっている教科書の執筆があったり、その後さまざまな締め切りが押し寄せ…

論文の校正と修正

今年の春先に投稿した論文がアクセプトされ、現在校正作業を行っています。Health Promotion Internationalという雑誌に投稿し、高校生を対象とした3年間の縦断調査のうち、初年度の親子のペアデータを用いた報告になっています。 実に単純なモデルで、親のS…

ソーシャル・サポートネットワークとsense of coherence

9月17日に、聖路加大でポジティブサイコロジー勉強会があって、そこでは、Patient Reported measurement Information System (PROMIS)という米国で行われている主観的なヘルスアウトカムの測定ツールづくりについて紹介されていました。http://www.nihpromis…

健康生成論と病いの経験

これまで量的研究ばかりを行ってきて、ほとんど質的研究を行ったことがなかったにもかかわらず、患者を対象とした質的研究において重要なキーワードである病いの経験と語りについて執筆しなくてはならず、とても勉強になったのですが、この1週間、大変にスト…

健康生成論とヘルスプロモーション

8月27日(金)に金沢大学の健康増進科学センターの会議で報告をしてきました。聖路加の中山先生や東大客員の河合薫さんも一緒でした。 現在金沢大の健康増進科学センターでは中山先生は客員教授、私は客員准教授になっており、先日のジュネーブの学会の渡航…

salutogenesisとヘルスプロモーション

SOCとヘルスプロモーションという関係を考えると、風が吹けば桶屋がもうかるというような少し離れた関係になるようにも思われる。 SOCはAntonovskyが提案した健康生成モデル(salutogenic model)の中核概念で、このモデルでは、大きく2つのことが示されてい…

sense of coherenceの呼び方とIUHPE国際会議

7月11日から15日にかけて、スイス・ジュネーブで行われたヘルスプロモーション・健康教育国際連合(IUHPE)に行ってきました。この団体の日本のリエゾンオフィスが日本健康教育学会の中に設置されています。 ここでは、sense of coherenceに関するシンポジウム…