SOC研究

SOCスケールの使い方に関するサイトができました

以前より繰り返しご案内してきましたアントノフスキーによるSOCスケール日本語版(29項目版および13項目版)の使い方について、webサイトがオープンしましたのでご案内します。 http://hlth-soc.net/soc/ SOCスケールの使い方や問い合わせについては、そのサ…

第33回日本思春期学会

8月30日に第33回日本思春期学会学術集会でシンポジウムがあり参加してきました。 今回の学会はテーマが「思春期の健康生成-pathogenesisからsalutogenesisへ‐」で、メインシンポジウムも「思春期における健康生成論とSOCへのアプローチ」と言うテーマでした…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(最後)

最後に、今後の課題について考えたことを示していきます。 第1には、SOCの形成やSOCへの介入に関する研究・検討の蓄積の必要性です。これはSOC自体をプライマリアウトカムとして捉え、どのようにSOCが向上する形で介入を行えばよいのかに関する取組みで、れ…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(その5)

以降は、今回の会議で感じた私の個人的な感想を述べたいと思います。 今回第21回の会議における健康生成論とSOCの位置づけを考えると大きく2点が考えられました。第1に健康生成論やSOCに関する研究の潜在化です。つまり、これまでは、その学問的立ち位置…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(その4)

8月26日午後の、組織の健康開発のための能力形成に関するシンポジウムでは、Bauer氏により仕事の要求(Job demands)と資源(Job resources)のモデルの解析結果の報告があり、要求量と資源量の「比」、およびWork related sense of coherence (Work-SOC)の…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(その3)

(昨日の続き)オーストリアのPelikan氏は、WHOのヨーロッパ支局が出しているという、「ヨーロッパ地域の非感染性疾患(NCD:脳卒中や癌、心疾患、糖尿病、高血圧症など、生活習慣病を含む細菌感染によらない疾患の総称)対策のアクションプラン」における、…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(その2)

前回第20回世界会議では、Bengt Lindström氏らにより、会期中連日午前午後にわたりシンポジウムやワークショップやパラレルセッションが行われており、会議全体が「健康生成論」一色という状況でした。しかし今回では健康生成論関連の報告は8月26日の一日に…

第21回IUHPEでの健康生成論やsense of coherenceの取り上げ方について(その1)

昨年8月にInternational Union for Health Promotion and Educationという国際組織の3年に1度の学術集会がありました。この学術集会は、3年前にこのブログでも取り上げた会で、ヘルスプロモーションの基礎として健康生成論とSOCが大々的に取り上げられてい…

サルートジェニック・カフェの取り組みを聞いて

聖路加Positive Psychology勉強会に参加して来ました(http://positivephealth.blogspot.jp/)。筑波大学の産業医学の平井先生のご報告でした。以前に公衆衛生学会の自由集会でご紹介頂いたものの、その後、というような位置づけでした。ある企業の従業員ほ…

健康生成論とsense of coherenceに関する講演・討論会のお知らせ

来る3月2日に筑波大学文京キャンパスで、標記の会が筑波大学の産業精神医学の先生達の主催で行なわれます。 私も、最近報告している研究結果からいくつかを報告する予定です。筑波の先生方や坂野先生が中心になって共同研究をしているLangeland先生をお招き…

第71回日本公衆衛生学会と自由集会「健康生成論とストレス対処力SOCに関する学習・交流会」

すでに1か月以上経ってしまっているのですが、第71回公衆衛生学会の自由集会について忘れ去る前に記録しておきたいと思います。今年の日本公衆衛生学会は山口で行われました。山口市は合併で県下第2の都市になりましたが、その前は第3位の人口規模で、全国で…

HardinessとSense of Coherence

KobasaのハーディネスとSOCとの違いについて、先日の第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラムのシンポジウムの打ち合わせのときに話題になりました。http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20121107 SOCとなにが共通しなにが違うのかというところで整理して…

第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラム

先月10月19日に関西福祉科学大学のEAP研究所(http://www.eap-ins.com/index.html)が主催する第7回「こころの健康と経営戦略」フォーラムに参加して参りました。テーマは「打たれ弱い若年社員への成長支援〜若年社員の成長支援を考える」で、今回は基調講演…

10月のSOC研究会

10月、11月は5月6月と並んで多忙な時期で、今年は講演&シンポジウムや公衆衛生学会など、様々なイベントがありました。その都度書いていかないと、何があったのか忘れてしまいそうで、そのためのこのブログであったのですが、忙しさにかまけてさぼり気味で…

optimismとsense of coherence その3 〜optimismの応用可能性について

先日の聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトにあります。http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.htmlCarver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 3…

optimismとsense of coherence その2 〜optimismの測定について

昨日に続いて、聖路加Positive Psychology勉強会で報告したことの感想の続きです。資料は以下のサイトです。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volu…

Optimismとsense of coherenceその1 〜Optimismの理論について

先日聖路加のPositive Psychologyの勉強会があって、Optimismの報告をしてきました。 http://positivephealth.blogspot.jp/2012/10/optimism.html 論文は以下です。 Carver CS, Scheier MF, Segerstrom SC. Optimism. Clinical Psychology Review, Volume 30…

EAP研究所の「こころの健康と経営戦略フォーラム」基調講演と公衆衛生学会自由集会

来る10月19日に、関西福祉科学大学附属EAP研究所の「こころの健康と経営戦略フォーラム」の基調講演をすることになりました。 http://www.eap-ins.com/event.html 実務者向けとのことで、わかりやすくSOCについて解説してほしいとのこと、努力したいと思って…

臨床の知と健康生成論

8月18日に、合同院生ゼミを札幌で行いました。このゼミでは、同僚である本学の井出先生の提案で、中村雄二郎著の「臨床の知とは何か」(岩波新書、1992年)を朝から晩まで一日かけて抄読する、ということをしました。この本は、その昔私が浪人生のころに、医…

6月のSOC研究会に参加して

6月30日にSOC研究会があり、参加して参りました。3題ともに健康職場とSOCというようなテーマで、心理社会的職場環境とSOCとの関係について検討したものです。 はじめの益子さんの報告では、いろいろ分析をしているようなのですが、追跡データで、職場におけ…

汎抵抗資源と汎抵抗欠損

先日質問を受けた上記の点について、もう一度整理しておきたいと思いました。 健康生成モデルにおける汎抵抗資源とはストレッサーを対処するときに動員するさまざまな資源のことを指します。SOCはこの資源を動員する動員力でもあるとされており、類似のHobfo…

proactove copingについて

昨日聖路加でポジティブサイコロジー勉強会がありました。テーマは、proactive copingについての報告でした。以前にもこの会でやったのですが、多分その時私はまだ臨床で働いていて、2回連続のテーマで後半の1回しか参加しておらず,うまく議論に乗れなかっ…

「健康生成論とストレス対処力」の授業

福岡学習センターで「健康生成論とストレス対処力」の授業をしてまいりました。当初はどんなものか、学生の皆さんついてこれるのか、健康生成論を理解できるのか、SOCに興味を持ってくれるのだろうかと大変に不安でした。学生たちといっても、平均年齢が45歳…

マインドフルネスプログラムとSOC

先月末、聖路加のポジティブサイコロジー勉強会があり、結膜炎の影響と風邪を併発して散々な状況だったのですが、気合い?で準備をして報告し、終了後の食事会まで参加してしまった有様でした。(おかげで治癒が遅れてしまったようにも。。。) 以下の論文を…

4月7日のSOC研究会

久しぶりの更新になってしまいました。3月は結膜炎で両目が腫れ上がった上、風邪が治らずで寝ている日が多く、全く研究活動がはかどらず、散々な一ヶ月でした。 昨日の研究会は、久々の参加で、様々な報告があって刺激を受けました。 ひとつは、障害児の親を…

術後せん妄とSOC

先日の聖路加ポジティブサイコロジー勉強会で報告されていたのは、術後せん妄とSOCに関する計画の報告でした。 http://positivephealth.blogspot.com/ 看護領域におけるSOCの研究ではナース対象の研究は多いのですが患者を対象としてSOCを測って使用する研究…

2月18日の研究会参加

2月18日にはSOC研究会があったのですが、別で携わっている調査の関係でお休みさせていただきました。昨年12月の会議はセミナーと同時開催と言う形だったので間が空いていて行きたかったのですが残念でした。 私が伺ったのはHIV/AIDS看護学会という学会(研究…

今後の研究展望その2(備忘録)

先ほど山崎先生と話していて、今後の研究展望にSOCスケールの件をあげるのを忘れていたことを思い出しました。その備忘録です。 SOCスケールの臨床応用に近いものではありますが、スケールの標準化、スクリーニングやアセスメントツールとしての応用化です。…

SOC研究の展望

新年に入り、修士論文の審査や、放送大学教材の執筆・編集作業などで時間が取られて、全くもって自分の研究に取り組む時間がなく、ちょっと焦ってきました。おかげで?このブログも更新できず、残念きわまりない状況が続いています。 全然研究的なことをして…

NPOライフリンク「『ライフスキル(生きる技術)勉強会』〜閉塞社会を生き抜くために〜」の個人的な総括

12月17日(土)に、中大駿河台記念館にてNPO法人ライフリンクが主催する勉強会「『ライフスキル(生きる技術)勉強会』〜閉塞社会を生き抜くために〜」が行われました。 http://www.lifelink.or.jp/hp/ust.html 内容は、SOCについてのもので、山崎先生が講師…