第71回日本公衆衛生学会と自由集会「健康生成論とストレス対処力SOCに関する学習・交流会」

 すでに1か月以上経ってしまっているのですが、第71回公衆衛生学会の自由集会について忘れ去る前に記録しておきたいと思います。今年の日本公衆衛生学会は山口で行われました。山口市は合併で県下第2の都市になりましたが、その前は第3位の人口規模で、全国で最も規模の小さい都市ということで有名であっただけあって、最大規模の下関市をはじめ、瀬戸内海沿いの、宇部や山陽小野田、周南(徳山)、岩国などに押されがちで、今回の開催で盛り上がりましたが、会場が分散せざるを得ない状況で会場間の移動が少し距離がある状況でした。ただ、個人的には内陸で緑に囲まれ、空気がきれいで、かつての大内氏繁栄のころ、西の京と呼ばれた室町時代の名残があったり、萩や津和野にも近くて好きな都市でもありました。瀬戸内海と日本海に挟まれているだけあって、海の幸がおいしかったり、山の幸も堪能できたり、有名な東洋美人や貴、獺祭などのお酒など、県内には良い酒蔵に恵まれていたり、そういう面でも良い場所だと思っています。
 さて、自由集会ですが、今回山崎先生の企画であったのですが、当のご本人が仕事の都合で急きょ参加中止されてしまい、坂野先生も原因不明?の体調の悪化で参加が危ぶまれましたが、こちらは無理を押してご参加をいただきました。他に参加された筑波大の鈴木先生とご両名のご報告でした。坂野先生からは、ノルウェーのランゲランド先生のところとの共同でのサルートジェニックアプローチによるSOCへの介入プログラムの開発の意気込みといったお話で、3月にランゲランド先生の所に行き、視察をしてきた話をしていました。鈴木先生は、筑波の産業医学講座のほうで行っている認知行動療法をアレンジしてSOCの向上を期待した介入のお話でした。いずれにしても、SOCの向上を期待したお話が中心で、SOCの形成・発達や向上といった、SOCをどうにかしよう、という話にだんだんと移行している印象を受けました。人数としては、40名程度がご参加でした。盛況でした。
 学会でも、SOC概念を用いた研究報告は増えているようでした。まだ、SOCの形成というところではなく、機能や効果といった側面に光を当てているものが多かったようです。日本の中でもSOCを用いた研究は徐々にふえつつあるのですが、公衆衛生学会はその中でもかなり多くが報告されている学会でもありますし、引き続き次年度もできればと思っています。