SOCの因子構造再論

ようやく週末に学会が終わり、ホッとしています。
総勢250名の参加で、地方会でありながらもやや規模が大きく、当日の学会運営はもとより、この半年間、特にこの2カ月は準備が大変でした。これでようやく自分の研究に打ち込める、と思っています。
さて、最近査読などで、因子構造について検討した論文にあたると以前の日記にも記しました。因子構造については、検討自体は大変にマニアックなのですが、しかしそれはそれで重要な問題で、特に下位尺度別に検討する際には必須になります。
そこで良く見るのは、探索的因子分析(EFA)と確証的(確認的)因子分析(CFA)の順序の問題です。
とにかくEFAは名の通り探索的な検討なので、膨大なデータの中から因子を探り出すという方法としては優れています。しかし、SOCのように、すでに因子構造が明確になっている尺度に対し、200〜300程度のサンプルでEFAを行ったところで、そこで抽出されるのは結局のところ、SOCスケール自体が持つ多面的な尺度構成の影響で、単純な3つの下位尺度別に分かれないことがままあります。
例えば、数千人の無作為サンプルでCFAの結果を見て、問題があるため、SOCスケールの因子構造をもう一度考え直そう、ということでEFAを行うという方針は良いかと思います。
元々因子の仮定がなく、アイテムプールを作って、測定したが、実は因子があるのではないかということで、EFAを行う、というのと、SOCスケールにEFAを行うというのとはわけが違います。
これは、基本的な因子分析の手順であるのですが、そして、そのあたりを踏まえた先行研究も多々あるのですが、良く理解しておらず投稿してくる方も少なくないようです。