SOCの重要性

6月になってからと言うもの、忙しさにかまけて更新が遅れておりました。修士の院生を受け持っている関係でそのゼミがあったり、他大学の大学院の授業を受け持っていたりで、準備をしていたり、あとは、放送大学の教材作成の会議があったり、他にもいくつか仕事があったようにも思うのですが。。

ブログをしているせいか、この数ヶ月の間、複数の方面から介護者を対象としてSOCを扱った研究をしたいと言う相談を受けました。皆看護系の方で、一人の方は介入研究をしたいということでした。
おそらく、なんとなくSOCと健康生成論という概念は面白そうで、なんとか研究の中に組み込みたいというところが共通しているように思われました。
健康につながる人の人生への考え方や志向性に関する概念として定義が明確で先行研究が多いのがSOCですので、SOCを取り扱いたいというのはよくわかるのですが、研究テーマに組み込んで研究をするとなると、SOCの重要性についてより深く理解をしないといけないと思います。なんでSOCなのか、という問を発する人の多くがSOCは生まれつきの気質や、あるいは乳幼児期の環境によって決定されて成人期以降は変わらないということを信じて疑わない人であろうかと思います。以前に紹介したように、(http://d.hatena.ne.jp/ttogari-tky/20100805)実際に年齢によって上がるというデータもあるのですが、SOCは変わらないという説を支持する人は少なくないように思います。ここに大きく切り込んでいく必要があると思います。SOCは本当に良くできた概念でその成り立ちを理解すれば変わる可能性が十分にあります。当初この特集http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=33267に組み込む予定でしたが、間に合わずに、こちらhttp://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=33802のほうに掲載になってしまった、山崎喜比古先生の「SOC(sense of coherence)を高める介入方策の開発に向けて 」が大変に参考になります。